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【アマゾン Honeycode】触ってみました。




限られた時間ですがAmazon Honeycodeに触れてみましたので、First Impressionとして感想をお伝えしたいと思います。


結論.... 一文でまとめるとするならば「Amazon Honeycode is sort of “Advanced web form builder with data viewer”. 」です。毎度分かりにくい入り方で申し訳ありません。


Web browserベースのフォームを作成し、アマゾンのホストするサーバーにデータを保存集められたデータを「参照」するためのビュー作成機能も準備されているものの、高度な機能は現状準備されていないようで、Appsheetの競合ツールと表現するよりはGoogle Formと同じカテゴリーに位置するのでは?というのが雑感です。


Google formはフォームをシェアされた人間がデータを入力・送信して終わり、ですが、フォームへのデータ入力に加え、入力したデータを編集・削除したり、任意に新規にデータを追加登録したりはできません。フォームは一度送信して終わり、が基本的なGoogle Formの世界。フォームを通じ収集されたデータをGoogle Form単体のアプリケーションを通じてデータ一覧として確認する術はありませんが、Google Formの管理者はグーグルシートに集積されるデータを次のワークフローとして消費する流れです。


HoneycodeはこのGoogle Formでいうところのフォームを通じてのデータ入力・収集といった部分の機能に加えて、データを一覧・単票として表示させるモジュールを追加した、ような全体像と捉えました。従い、冒頭の通り、高度なWeb Formのビルダーと表現させて頂いたわけです。


以下主要な項目に分けてコメントしたいと思います。


① データソース・データベース


まず、データはWorkbookと称されるHoneycode独自のDBに保存・管理。ゼロからデータベースを構築できる他、外部データを取り込んでアプリ作成をスタートできるとされていますが、対応している外部ファイルはCSVのみ。エクセルオンラインやGoogle Sheet、Cloud SQLといったアップシートが標準で対応しているデータソースには一切ライブ接続は出来ないほか、エクセル形式のファイルもcsv変換しなければならいようです。


いずれにせよ、この「Workbook」と呼ばれるアマゾンのサーバー上のスプレッドシートをデータソースとすることしかできないようです。


結果、既存・新規に関わらず、Cloud上のスプレッドシートにライブアクセスし、アプリの構築作業を開始するというワークフローは取れません。


AWSではCloud SQLなどのサービスが提供されていると思うのですが、それらのDBいに簡単には接続できないのは厳しいですし、残念な部分でもあります。WebhookつまりはAPIを利用すればSQLにも接続することが出来るということのようですが、今回のトライアルではそこまで検証していないため、APIを使って独自のWorkbook以外にどのようなDBに接続することができるのか?までは確認していません。ただし、それなりの作業量と時間を要することは確かでしょう。


ノーコードを唄うプラットフォームで、アプリの土台となるデータベースに「APIを使って接続しましょう」と言われた時点でハードルに感じるユーザーは多いと思います。


また、プランによって最大値は異なるようですが、Wookbookに保存できるデータ(行)数にも制限があり、業務アプリで日々の利用を前提(=日々データ量は増大)とすれば、直ぐに制約を受けてしまうことが懸念されます。Googlesheetはセル数にして400万セルが一つ当たりのワークシートのデータ制限。カラム数にも左右されますが、容量は極めて少ない印象ですし、セル・行の数の制限が心配とならないSQLにネィティブに接続するコネクターが現状準備されていない点はアプリのスケールアップを想定すれば大きな懸念事項となるでしょう。AWSは基本バックエンド系を得意とするサービス。にもかかわらず、このような行数制限を設けていることも残念でした。


② ビジネスロジック


関数は準備されているようですが、データ入力を支援するドロップダウン用のリスト作成用のVookup的な動作をするFunctionのようです。高度のアプリの動作をコントロールできるものは準備されていないように見えます。様々なビジネスニーズに対応するには要望に応じて動的にアプリの動作を制御することがビジネス・業務アプリの必要条件ですが、残念ながらこれらの機能は現状存在しないようです。


③ UI


アプリの見た目、Appsheetでいうところの「View」に相当する部分のことですが、1)Table view 2) Detail View 3) Form Viewの3つのみ。ある程度はカスタマイズできるようですが、昨今見かける標準的なWeb アプリのViewを踏襲しているようです。また見た目もシンプルですが、シンプル過ぎるが故にスクリーン上のスペースを無駄に消費している印象で今後ユーザーから改善要望が多く寄せられるのではないかと推測されます。

④ データタイプ


アップシートではテキスト系のみならずImage, Audio, Video, Long text, URL 等々と数多くの異なるデータタイプを設定できますが、Honeycodeでは所謂テキスト系のデータタイプしか準備されていないようです。アプリでは、フィールドワークなどで写真を撮影したり、GPSデータを使い位置情報を捕捉したいというのが平均的なニーズですが、限定的なテキストデータにしか対応していないようです。

⑤ オフライン下での利用


オフィス内での利用に限定されずモバイルアプリの特性を活かしてオフィス外でのアプリ利用が必要です。ネットワーク接続に問題がある「現場」も多く、アプリがオフライン状態でも利用可能か否か? この点もアセスの上で重要と考えます。アップシートは設定次第でオフラインでも動作します。端末にキャッシュされた―データをベースをアプリを動かし、オフライン中に編集されたデータはオンラインに戻ると同時にサーバーと同期されます。Honeycodeがオフラインで動作するかいなかはドキュメント上では確認できませんでしたが、試しにブラウザーで開いたHoneycodeのアプリ、PCをオフラインにしてフォームのデータを操作したところエラー表示。オフライン状態では動かせず、常にネットへの接続が必要とされるようです。



⑥ リアルタイムデータベース


業務アプリは基本「複数名で利用する」のが前提です。この際、自身のデータ変更が他のユーザーと即時に共有される、もしくはその逆に、他のユーザーによるデータの新規登録・修正が目の前のアプリの画面に即時に反映されるかが暫し重要となります。


即時性が必要とされるアプリでは猶更重要な要素となりますが、これを実現するためには、データベースが一般に「REAL-TIME DATA BASE」と呼ばれるものか?で決まるといってよいかもしれません。例えばチャットアプリにしてもアプリを同期しない限り、相手が送ったメッセージが確認できない、といったことでは用途に耐えません。


願わくばアプリはRealtimeに最新のデータに自動更新され、ユーザーは常に「最新」のデータに触れていることが担保されていることが望まれますが、ITの分野出身ではない私としては詳しい仕組みはわかりませんが、そもそもRealtime DBではないデータソース、例えばスプレッドシートをベースにしたアプリをrealtime DBに仕立てることは相当困難な技のようです。


今日出来ないことが明日できることになるのがITの世界ですから、一寸先の将来がどのようになっているのかはわかりませんが。


<総括>


AmazonにはGoogle やマイクロソフトのようにクラウドで利用できるスプレッドシートというサービスが存在しません。そのため、今回Honeycodeの展開に当たりプログラマーを除く一般ユーザーにとって操作の簡単なオンラインスプレッドシートをツールとして準備したのかもしれません。但し、当然にこのクラウドスプレッドシートはHoneycodeのプラットフォームを通じてしかアクセスできないと思われますので、アプリで集めたデータを二次利用したい、例えばBIツールを使ってデータ分析に利用したい?といったユースケースへの対応は難しいと考えられます。理解が正しければ、このワークブックは、Honeycodeのプラットフォーム上でしか利用できない。マイクロソフトのExcel OnlineやGooglesheetのように単独・単体では利用できそうにありません。


冒頭申し上げた通り、オンラインのデータ入力フォームを作成し、Table/Detail viewでこれらのデータを参照するONLINE フォームビルダー、とするのがBETAのステータスとしてのAmazon Honeycodeに対する個人的な評価です。

簡単なフォームを作ってデータを収集したい、という極めて限定的なニーズであれば十分に対応してくれると思いますが、複雑なロジックが必要とされるアプリが必要という前提であればアマゾンによる更なる開発、BETAから次のステージへの展開を待たなければならないでしょう。


この考察においても一般的なユーザーとしての中立的な見地でのコメントを心掛けたつもりですが、弊社はアップシートのパートナーとしての立場ですので、バイアスの掛かった評価となってしまっている危険性も否定できませんので、まずは先入観を取り払い、皆様ご自身で触れられてみてはいかがでしょうか? 皆様からのFEEDBACKをお聞きできること楽しみにしております。



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